制度・知識ガイド
関係人口とは?交流人口・定住人口との違いと地域との関わり方
関係人口とは、移住した定住人口でも観光だけの交流人口でもなく、特定の地域に継続的・多様な形で関わる人を指す考え方です。国の定義をもとに、具体例とふるさと住民登録制度との関係を整理します。
「関係人口」は、地方創生や地域活動の情報を調べると頻繁に出てくる言葉です。移住者だけを指す言葉でも、単に観光客を言い換えた言葉でもありません。
国の説明では、関係人口とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、特定の地域に継続的に多様な形で関わる人を指します。
関係人口とは
重要なのは、「地域との継続的な関係」があることです。住民票をその地域へ移していなくても、地域との接点を持ち続けていれば関係人口になり得ます。
地域未来戦略本部事務局は、継続的な特産品購入、年数回の帰省、地域イベントへの参加、ボランティアや副業、二地域居住など、さまざまな関わり方を例として挙げています。
定住人口との違い
定住人口は、その地域に生活の拠点を置いて暮らしている住民を中心とした考え方です。住民基本台帳など、行政上の居住情報とも関係します。
一方、関係人口は「その地域に住んでいるかどうか」だけで判断しません。東京に住みながら毎年地域の祭りを手伝う人、オンラインで地域企業の仕事を支援する人、月に数日だけ地域で生活する人なども含み得ます。
交流人口との違い
交流人口は一般に、観光やイベント参加など、その地域を訪れる人の流れを捉える考え方です。
もちろん、最初の観光が後の継続的な関係につながることもあります。ただし、一度訪れただけで直ちに関係人口になるというより、再訪や活動参加などを通じて継続的な接点が生まれていく点が重要です。
関係人口の具体例
- 年に数回、同じ地域を旅行する
- 実家や祖父母の住む地域へ継続的に帰省する
- 祭りや地域イベントの運営を手伝う
- 農業体験や地域ボランティアへ参加する
- 地域企業の副業・プロジェクトへ参加する
- オンラインで地域の活動を支援する
- 地域の商品を継続的に購入する
- ふるさと納税をきっかけに地域との接点を持つ
- 都市部と地方の二地域で生活する
これらはすべて同じ深さの関わりではありません。関係人口は、浅い関心から地域の担い手としての継続的な活動まで、幅のある概念です。
なぜ関係人口が注目されているのか
人口減少が続く中で、すべての地域が定住人口だけを増やし続けることは難しくなっています。その一方で、住んでいなくても地域の産業、行事、暮らし、課題解決に関わる人は存在します。
国は、こうした地域外の人との関係を広げ、地域づくりの担い手や地域経済とのつながりを生み出すことを政策上の重要なテーマとして位置づけています。
ふるさと住民登録制度との関係
ふるさと住民登録制度は、この関係人口を全国共通の仕組みで可視化し、地域との継続的な接点を作りやすくするための制度として整備が進められています。
これまで自治体独自のファンクラブや関係人口制度で把握されてきた人のつながりを、国の共通システムも活用しながら広げる考え方です。
「関係人口になる」ことに資格は必要?
「関係人口」は、それ自体が特定の国家資格や法的身分を表す言葉ではありません。地域との多様な関わり方を表す政策・地域づくり上の概念です。
一方、個別の地域活動、補助制度、ふるさと住民登録などには、それぞれ参加条件や登録条件が設けられる場合があります。実際に制度を利用するときは、その制度ごとの要件を確認してください。
まとめ
関係人口は、「移住するか、観光するか」の二択では捉えきれない地域との関わりを表す言葉です。地域副業、ボランティア、農業体験、イベント、二地域居住など、関わり方は多様です。
自分に合う地域との関係を探すときは、「どこへ移住するか」だけではなく、「どのくらいの頻度で、何を通じて、どんな形で地域と関われるか」という視点で比較すると選択肢が広がります。